エクスプレス・パラオ語 文法篇 第16課 目的節
目的節 (Purpose Clauses)
パラオ語の目的節は、主節の動詞が表す動作の「内容」や「活動」を補足する従属節の一種です。
1. 目的節の構造と特徴
他動詞の目的語には、具体的な名詞だけでなく、動作や活動そのもの(目的節)を置くことができます。
目的節の2つの大きな特徴
- 主語が明示されない: 目的節内の動作主は、主文の主語や目的語と一致するため、改めて書くことはありません。
- 常に現在形: 主文が過去形であっても、目的節内の動詞は必ず現在形になります。
| 例文 | 目的語の種類 | 意味 |
|---|---|---|
Ak mla mo mȩrek ȩr a subȩlek. | 単純名詞句 | 私は宿題を終えました。 |
Ak mla mo mȩrek **ȩl mȩruul a kall**. | 目的節 | 私は食事の準備を終えました。 |
A Droteo a milsuub a tȩkoi. | 単純名詞句 | ドロテオは言語を学んでいました。 |
A Droteo a milsuub **ȩl mȩruul a mlai**. | 目的節 | ドロテオはカヌーの作り方を学びました。 |
2. 活動の開始と終了:OMUCHȨL と MO MȨREK
「始める」や「終わる」を意味する動詞の後に目的節を続け、活動の局面を表します。
omuchȩl (始める)
- 他動詞的な用法:
Ak mo omuchȩl ȩl mȩngiis...(私は掘り始めます) - 自動詞的な用法:
A meeting a mo omuchȩl...(会議が始まります) ※主語が無生物になる。
mo mȩrek (終える、止める)
- 構造: 方向動詞
moと組み合わさって一つの単位として機能します。 - 完了のニュアンス:
Kȩ mla mo mȩrek ȩl omȩngur?(食べ終えましたか?) - 注意: 習慣をやめる場合は
mla choitii(捨てた/やめた) を使います。
3. 能力を表す状態動詞:MȨDUCH と MȨTITUR
他動詞としての性質を持つ状態動詞 mȩduch (知っている/できる) と mȩtitur (知らない/できない) は、目的節を取ることで「〜する能力がある/ない」を表します。
- 能力:
Ak mȩduch ȩl omȩkall a sidosia.(私は車の運転ができます) - 無能力:
A John a mȩtitur ȩl mȩngikai.(ジョンは泳げません) - 過去の能力:
Ak mle mȩduch ȩl mȩlȩkoi...(私は話せました) ※過去マーカーmleを使用。
4. 試行と学習:MȨLASȨM と MȨSUUB
| 動詞 | 目的節を伴う意味 | 例文 |
|---|---|---|
| mȩlasȩm | 〜してみる (試行) | Ak villasȩm ȩl mȩnga ȩr a ngikȩl. (魚を食べてみました) |
| mȩsuub | 〜の仕方を学ぶ | Ak milsuub ȩl mȩluchȩs... (私は書き方を学びました) |
5. 二つの目的語(使役的構造)
olȩngȩseu (助ける)、olisȩchakl (教える)、oldurȩch (指示する) などの動詞は、「誰を(目的語)」+「何を(目的節)」 という構造をとります。目的節の動作主は、主文の目的語(助けられた人など)になります。
- 助ける:
Ak ullȩngȩseu **ȩr a Toki** [ȩl mȩruul a subȩlel].- (私はトキが宿題をするのを手伝いました)
- 教える:
A rubak a ullisȩchakl **ȩr a Droteo** [ȩl mȩlasȩch a mlai].- (老人がドロテオにカヌーの彫り方を教えました)
- 指示する:
A sensei a uldȩrch**ak** [ȩl mo ȩr a Guam].- (先生は私にグアムに行くように言いました)