エクスプレス・パラオ語 文法篇 第22課 理由と結果の句
理由句、結果句と時間句
パラオ語では、2つの単純な文を特定の連結語で結ぶことで、「原因と結果」や「時間的な前後関係」といった複雑な意味を表現できます。
1. 理由と結果の句 (Reason and Result Clauses)
原因を説明する理由句と、その結果を示す結果句の使い分けは以下の通りです。
理由句:e le (なぜならば)
先行する句の内容について、その理由を説明します。動詞のテンスに制限はありません。
Ng dimlak kbo ȩr a skuul e le ak mle smechȩr.(私は学校に行きませんでした、なぜなら病気だったからです)- 発音のポイント:
e leの後にakが続く場合、しばしば [εlεkh] と融合して発音されます。
結果句:mȩ (〜なので、その結果)
前の状況から導き出される結果を紹介します。非常に用途が広い連結語です。
Ak mle smechȩr mȩ ng dimlak kbo ȩr a skuul.(私は病気だったので、学校に行きませんでした)- 発音のポイント:
mȩの後にakが続くと [makh]、aが続くと [ma] となります。
2. 特殊な結果句の用法
疑問詞との組み合わせ
「なぜ?」と理由を問う文では、構文上は結果句として処理されます。
- 理由の問い:
Ngara mȩ... ?(何が原因で、その結果〜?) - 状態の問い:
Kȩ klsakl mȩ... ?(何が具合悪くて、その結果〜していないの?)
指令・許可の動詞
「言う (dmu)」「許可する (konge)」「強制する (orrȩmȩl)」などの動詞も、その行為の結果として起きる内容を mȩ で繋ぎます。
A sensei a dilu ȩr ngak mȩ ak mo ȩr a Guam.(先生は私に、グアムに行くよう言いました)- 否定の許可: 許可を与えない場合、結果句内の動詞は**仮定法(現実には起きていないこと)**になります。
Ng diak kkȩnge ȩr a ngȩlȩkek mȩ lolim a mȩringȩl.(私は子供に強いお酒を飲ませません)
3. 時間句 (Time Clauses)
パラオ語の時間句は、過去・習慣・未来の状況に応じて特定の紹介句を使い分け、多くの場合仮定法動詞を伴います。
過去の特定の時:er se ȩr a
過去のある時点で起きた出来事や、他の中断された動作を指します。
Ak milsuub er a elii er se ȩr a lȩme a Droteo.(昨日、ドロテオが到着した時、私は勉強していました)
未来・習慣:se ȩl
未来の出来事や、「〜する時はいつも」という習慣的な動作を指します。
Ak mo olȩngull se ȩl kbo kmȩchas.(私がおばあさんになったら、休みます)
前と後:uche ȩr a / uriul ȩr a
「〜の前に」「〜の後に」という前後関係を示します。
uche ȩr a(前):... ȩr a uche ȩr a kumȩngur.(夕食を食べる前に)uriul ȩr a(後):... ȩr a uriul ȩr a lorael a Toki.(トキが去った後に)
4. 倒置と強調 (Shifting)
時間節や時間語(明日、以前など)を文頭に置いて強調する場合、以下の構造的変化が起こります。
- 紹介句の削除: 先頭の
erなどが削除されます。 - 連結語 e の挿入: 移動した句の後に
eを置いて主節に繋ぎます。
| 通常の語順 | 時間句を前置した場合 |
|---|---|
Ak mo ȩr a chei a klukuk. | A klukuk **e** ak mo ȩr a chei. |
| (明日、魚釣りに行きます) | (明日こそ、私は魚釣りに行きます) |
Ak kilie ȩr a blil a Tony er se ȩr a kbo ȩr a Guam. | Se ȩr a kbo ȩr a Guam **e** ak kilie ȩr a blil a Tony. |
| (グアムに行った時、トニーの家に住みました) | (グアムに行った時、私はトニーの家に住みました) |